研究室概要

代表者:
東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 特任教授 阿部力也
共同研究者:
東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 特任准教授 田中謙司

研究内容:
本研究室は、東京大学大学院工学系研究科 インターネット・オブ・エナジー(IoE)社会連携講座 内に設置されたものです。(デジタルグリッド寄付講座は2017年5月31日をもって終了いたしました。IoE社会連携講座がその研究内容を引き継いでいます。)
電力や低炭素価値などを商品のように扱い大規模な市場取引が可能となる電力システムのデザイン、シミュレーション、政策提言等を研究対象としています。

特に自然エネルギー発電・情報融合型電力系統・導入補助政策などを中心に研究を行い、「デジタルグリッド」という分散型電力系統と基幹電力系統のハイブリッド型グリッドを提唱しています。
デジタルグリッドは、系統に接続する電力変換器がそれぞれ固有のアドレスを持ち、ブロックチェーンを介して取引し、電力ルーターを同時に動作させることで、電力を目的のところに届けることができます。これらにより、堅牢で柔軟なインターネットのような構造の電力系統を構築し、市場メカニズムによる取引を実現するものです。
新しい電力供給システム
この技術により電力はパケットのように取り扱われ、経済上の重要な財になると考えています。
当研究室では、エネルギーの上流から消費の下流まで、電力ネットワーク、貯蔵技術、ICT技術、需要家プロファイルと需要予測等幅広い研究を全世界を対象に行います。
そしてこれらの研究を通じて持続可能なエネルギー社会を実現すべく具体的に歩みを進めています。
阿部研究室では新たな研究として次のものを開発中です。
(1)高速制御インバーター(プロトン)の開発 (ソフトとハードを分離した多機能双方向型インバーターとDGルーター、ブロックチェーン搭載予定)
(2)フォグコンピューティング型電力センサー (機器分離、需要予測、ブロックチェーン搭載予定)
(3)ブロックチェーンによる電力決済および制御システムの構築 (株式市場を模擬した電力及びCO2取引市場の構築)
(4)GPS時刻同期電圧自立型電力系統の開発 (複数インバーターの時刻同期電圧突合せ、並列運転の検証)
これらの研究は今後新たに社会連携講座を発足して複数の企業とオープンイノベーション型共同研究を行い、その中で具体的なアプリケーションを生みだしていきます。
また今までの成果は、下記一般社団法人とベンチャー企業を介して社会への実装を推進しています。

デジタルグリッドコンソーシアム:
このコンセプトを実現するために、一般社団法人(非営利型)「デジタルグリッドコンソーシアム」を2011年9月に設立しました。電力変換技術の教育研究機関として機能していく予定です。

(株)デジタルグリッド:
コンソーシアムの開発成果を基に、東大発ベンチャー企業「(株)デジタルグリッド」を2013年11月に設立しました。 世界の電力システムの変革を目指してまずは途上国無電化地域の充電サービス事業を行っています。現在はタンザニアを中心としてソーラキオスク650店舗展開中です。さらにセネガルでも10店舗展開準備中です。

What's New

2017.8.21

エネルギーフォーラム社主催の「エネルギーデジタル化の未来」というシンポジウムを開催します。2017.8.21の13時より伊藤国際ホールで行ないます。ぜひご参加ください。

2017.4.4

環境省の平成29年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発委託業務において「再エネ導入を加速するデジタルグリッドルータ(DGR)及び電力融通決済システムの開発・実証」を受託しました。 代表事業者は立山科学工業で東大のわれわれのグループは共同実施者です。チームの中には日立IEシステム、日本総研、関西電力、東京電力ホールディングス、NTTデータ、USD,テセラテクノロジーズがあり、アドバイザーとしてNEC,みずほ証券が参画します。 実証場所は埼玉県さいたま市浦和美園地区で、新しく開発する住宅やイオンモールに太陽光・電池などをつけ、10kWクラスのDGRとDGCを開発し、ブロックチェーンを使って電力取引を実現します。

2016.11.10

デジタルグリッドの構想をまとめた書籍「デジタルグリッド」を刊行いたしました。 図を一切使わず、電力の仕組みと同期系統の制約を説明し、遮断器の代わりや受電箇所に非同期接続を採用することで制約が緩和されることを述べています。 制約がなくなると、電気は一般の商品と同じように取引され、仮想通貨が最適な価値交換の媒体となって、電力ビジネスの革新的な変化が起こるだろうということを詳細に記述した本となっています。 本書は、寄付講座「電力ネットワークイノベーション(デジタルグリッド)」の研究成果の集大成となります。ぜひご一読ください。
こちら からも購入可能です。

2016.10.26

10月26日(水)13時より本郷赤門横、伊藤謝恩記念ホールで「デジタルグリッド寄付講座最終報告シンポジウム」を開催し、約300名の参加を得て成功裏に終了いたしました。 各講演者の講演内容はこちらから見れます。

2015.09.13

9月12日-16日に中国天津でAcademy of Engineeringのシンポジウムが開催され,招待講演を行いました.ここでは世界初となるGPS時刻同期複数インバータによるデジタルグリッドセル構想を発表しました.

2015.05.25

6月9日にスペイン、バルセロナで"Smart Rural Grid Symposium"が開催されます。Smart Rural Gridとはデジタルグリッドのセルを実現するものです。EUの補助金をもらってバルセロナの田舎の村で実現準備中です。シンポジウムでは 私がキーノートスピーチを行います。(6月6日から、14日までスペインに出張します)

2011.10.04

日経新聞にコンソーシアムの取り組みが紹介されました。

掲載記事は こちら

2011.07.15

デジタルグリッドの基本特許第4783453号「多端子型非同期連系装置電力機器制御端末装置と電力ネットワークシステムおよびその制御方法」が特許登録されました。

2011.07.11

濱田総長以下を迎えて、安田講堂で開催されたGS+I「太陽光を主要エネルギー源とした文明の構築は可能か?」と題したシンポジウムで「デジタルグリッド」の講演を行いました。

2011.06.30

IEEE(米国電気学会)論文誌Smart Grid Transactionに投稿した論文“Digital Grid: Communicative Electrical Gridsof the Future”, IEEE TRANSACTIONS ON SMART GRID, VOL. 2, NO. 2, JUNE 2011 399,が掲載されました。[ 資料2 : PDF(1.40MB) ]

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